スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

クジラの講演会

名古屋大学博物館にて、クジラについての講演会が行われた。

kujira.jpg

講師は、国立科学博物館の山田先生。
昨年に行われた、漂着したマッコウクジラの標本化の作業(つまり解体して土中に埋める)を指揮していただいたお方です。
会は盛況で、100人近い方が60人教室につめかける状態でした。


名古屋港に漂着したクジラは、先生が到着した時点で既に体の半分以上が浮いている状態で、だいぶ腐敗が進行していたそうです。
そのクジラを運び、ウチの研究室とA大の人々もお手伝いに行って解体して埋めたのが昨年5月。
埋めた場所が水に浸かっているので、標高の高いところに埋め直す作業をしたのが12月。
そのときに上腕骨から指までを持ち帰って、右手を優先的に処理して標本化し、この講演会で展示した。
まだ臭いが残っているのですが、若い個体だったせいか骨がもろく、これ以上煮込めないジレンマ。
今後の扱い要検討。


講演で興味深かったお話は、『ストランディング』について。
ストランディングとは、普通は海の中にいる生物が、何らかの理由で陸に揚がってしまうことです。
イルカが浅瀬に迷い込んでしまって泳げないとか、クジラが打ちあげられるとか。
ストランディングにはライブストランディングとデッドストランディングがある。

ライブストランディングは、生きたまま打ちあげられてしまった例。
どうやって打ちあげられてしまった個体を海に返すのか。
クジラは無理でも、イルカぐらいなら深いとこまで押していけばいいのでは?と簡単に思ってしまうが、実際には波があってなかなか深いところまで到達できないそうだ。
では港とか深いところへ陸路で運んで放せば解決かというと、今度は港から出ること(追い出すこと)ができずに、死んでしまったことがあり、これまた難しい。
また弱ってしまった個体は、一度保護する必要がある。
しかし、その役割を担うべき動物園は、人員や予算等々で簡単には動けない。
そもそも、どんな病気を持っているのかわからないので、水族館の動物たちとは別の水槽が必要となる。
無駄を省くと専門家でもない人がいろいろな予算をカットしている昨今、このような設備を常設している動物園は少ない。
弱った個体をどう救うのか…重要な課題である。

デッドストランディングは、死んだものが打ちあげられた例。
ちなみに、クジラは死ぬとしばらく海面を漂うため、船との衝突の危険から沖の方で沈められます。
かなりの浮力があるため、おもりを大量に付けて沈めるそうな…。
そのために莫大な費用が必要となる。
正直、打ちあげられてしまった個体は、そのままではゴミ扱いされてしまう。
それを活用する一つの方法が、標本とすることである。
そしてその過程で、胃の内容物や体の状態を解剖しつつ確認することで、海で何が起こったのかを把握する。

現状、海生ほ乳類のストランディングがあった場合、山田先生のチームに連絡が入り、現場に向かわれることが多いそうだ(地元の動物園では対処できないため)。
生きている個体は救うために全力を尽くし、残念ながら死んでしまった個体も研究等に”生かす”ため、全国へ出張される先生は、本当にすごいと思う。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

クジラ

久しぶりです。最北の利尻にもようやく春の足音が聞こえてきました。
さて、クジラの話面白そうですね。当日の資料あれば欲しいところですねぇ。

資料なしでした

>ripさん
ご無沙汰しています。こっちは寒暖の差が激しくて、風邪引きました。
クジラの講演会ですが、当日の資料はなく、パワポの発表でした。
名大博物館にはビデオはありますが…館外持ち出し禁止ですので、展示を見に来るついでに来て下さい(笑)
プロフィール

N雑

Author:N雑
動物考古学専攻の大学院生。
様々な時代・分野に首を突っ込んでいます。
メインはオホーツク文化。よく北海道に出かけています。
ボーイスカウト活動にも携わっています。
お酒が好きです。

カテゴリ
FC2カウンター
月別アーカイブ
カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
QRコード
QRコード
グーバーウォーク
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
リンク
検索フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。